Fukunosukeです。
夏の日差しは強烈です。夕方の太陽が庭を焦がしています。
hiyoko「準備万端です」
あさば夏のお料理。23年(21年)とほぼ同じです。食材の調理法と順番が一部入れ替わるくらい。鮎の炭火焼きと鮎ご飯は中盤とトリを不動のオーダーで固めます。これを食べに来たんだ。
hiyoko「かたじけのうござる」
最初は雲丹と毛蟹の飯蒸し。毛蟹の甲羅が器になっています。
これまでの飯蒸しとはちょっと違ってお米の粒感がわからないほど蟹味噌と蟹の身を混ぜ込んでいます。
hiyoko「結構濃厚に蟹ね。日本人は好きだけど、外国の方は食べられるかしら」
続いてもろこしのかき揚げとすり流し。甘いです。もろこしは極薄の衣、よくまとまるなあ。
すっぽんの出汁と冬瓜の御椀。
この辺りで鄙願を2合。
なんとこの猪口、まわりの模様にプラチナが練り込んであります。マジか。割っても捨てられない。
お造りはアオリイカ、鯵の夏野菜、地魚(ヒラメ?)。アオリイカは通年提供されます。細かく包丁を入れてあり、中の甘くて柔らかいところを味わいやすいようにしてあります。
鮎の炭火焼きです。産はもちろん狩野川。
hiyoko「あさばの夏ってかんじがするわー」
車海老、帆立、生姜のジュレでさっぱり。
穴子の黒米ずし。これも一年中出てきますが、旬は夏だそうです。
床節の唐揚げ。比べちゃうと鮑の方が好きだけど、これはなかなかおいしかったです。
そして鮎ご飯。これを食べに来た!鮎は4尾使っているそうです。炭火焼と合わせて8尾の鮎が出たことになります。
最後に蓼の葉を混ぜ込んで。お味噌汁はじゅんさい。
hiyoko「なんだかもう美味しいわあ」
デザートは久々にブランマンジェをいただきました。
最後に抹茶ではなく緑茶のアイスクリーム。これは初めて。抹茶とは違う感じで清涼感に溢れています。なかなかいいですね。
いつも通りの夏のお食事でした。ご馳走さまでした。
そうそう、面白い話を聞きました。
今回、サロンでインバウンドのお客さんを3組見かけました。李禹煥さんも含めれば4組です。あさばは現在12室と思うので、3割から4割が外国からのお客さまです。結構多い。
お部屋係の方に「インバウンドは多いのですか」と聞いてみました。
そうしたら「先日の地震予言のせいでインバウンドのお客さまはちょっと減っていますが、それ以前だと多いときは半分以上がインバウンドです」
「そうなのですか!(さすがルレ・エ・シャトー!)でも、海外の方は(頭のついた)鮎の炭火焼きを食べられるのですか?希望を聞いて変えたりするのですかね?」
「ええ、駄目です。ですからインバウンドの方には最初からお食事の内容を変えています(鮎は肉に変わる)。鮎の炊き込みご飯もかやくご飯に変わります」
もうびっくりしてしまいました。あさばに泊まって鮎を食べないなんて!イカやスッポンもNGな外国人は多いと思います。それも出さないとしたら、あさばに来て何を食べて帰るのだろう!
ですが、同時にこうも思いました。もし、宿泊客の半数以上がインバウンドだったら、その日に鮎料理を出す客はむしろ少数派。うーん。すごいことだ。日本食が海外に開かれることで海外からの日本食に対する理解度は上がるかも知れませんが、その過程で日本食の常識も変わっていくのかも。
10年後には多くの日本人が「鮎の塩焼きなんて野蛮な食べ物を食えるか!」とか言ってたりして。
まさかぁって感じですかね。でも実際、日本人は鯨を食べなくなりましたよね。そのことを苦にも思わないですし。。。
食後は男衆が布団を敷いてくれます。簾障子に囲まれて寝るなんて、帝のようです。
朝ごはんも簡単に紹介しておきます。
朝ごはんはいつも内容が変わりません。もちろん、変わってほしくない。
料理は今見えているものの他に、、、
出汁巻きと、
蜆のお味噌汁がやってきます。
(鯵の干物もインバウンドには出さないんだろうなぁ)
本当によい名物になりました。あさばのわさびご飯。
hiyoko「うまいわー。やはり、うまいわー」
わしわし食べました。
アメーラトマトの含ませ煮はすっかり朝のデザートに定着しました(以前は夜のお料理でした)。
食後は11時30分までのんびり。二度寝するもよし、お風呂に入るもよし。
チェックアウトアウト後もサロンでコーヒーをいただいて未練がましく過ごします(笑)
あさばは、高級の上に超がつくような旅館ですけれど、本当に居心地がよいと思います。そこが一番凄い。尖っていたり奇をてらったり、格式ばったところはなく、和の何とかに通じていなくてもゲストを緊張を強いることはありません。
おもてなしに身を任せ、素敵な庭や能舞台を眺めてビールを飲み、おいしい料理を堪能してお湯につかれば、骨まで溶けるようにリラックス。我々には贅沢すぎる宿ですけれど、ここでない旅館に3度泊まるのを我慢してでもここがいいです。
日本に、しかも東京から通える伊豆にあさばがあって本当によかったと思います。
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