今年は、何だかバタバタして結婚記念の食事ができなかったので、
フランス料理店でクリスマス・ディナーを計画しました。
せっかくなので飛び切りのお店にしようと。二人とも口をついて
出たのが、三田のコート・ドール。
ここに来るのはもう7~8年振りくらいでしょうか。思えば、
僕ら二人の食いしん坊生活において、一番最初に「本当に美味
しいもの」を勉強させてもらったお店でもあります。
三ノ橋近くの瀟洒なマンションの1階に店を構えています。

以前来た頃に比べ、ややモダンになった店内。4~5年前に
改装したとのこと。

まずシャンパンで気合注入(笑)。このお店に来たからには、
我々も心して一品一品に向き合います。

■赤ピーマンのムース トマトのソース

名物料理のひとつ。ピーマンの香りが鼻腔をくすぐります。
“ピーマンの香り"と言うと、苦手な人の方が多いと思いかも
知れませんが、なぜか崇高でごちそう感のある香りなんです。
でも、今回2人とも「あれ?」って思った。美味しいのですが、
生クリームが強くて、沢山は食べられない感じ。思わず給仕の
方に「味、変わりました?」と聞いてしまった。
「変わっていません。今日もシェフは必ず最後の味のチェックを
しています」とのこと。
いつもより少量のポーションなので、少し濃厚にしたのかな?
※アラカルトの場合は、確かこの3倍量でした。
■白子のパイ包み焼き レンズ豆を添えて

これはご馳走! タラの白子を使い、濃厚さを増すために
フォアグラを加えているようです。けれど、軽く酸味のある
ソースと合わせると白子特有のくどさは全くありません。
フォン・ド・ヴォーの良さがソースをワンランク上にし、
料理の完成度の高さを上げています。ペロリです。鼻の穴が
広がっちゃいます。このお料理、フグの白子だとあっさり
しすぎてダメなんだそうです。なるほど。
*hiyokoのNo.1!
hiyokoより:これすごく好みの味で、今でも余韻が残っていて、
思い出すと涎が出てきます。美味しかったー!!
■平目のムニエール トリュフのソース 下仁田ねぎ

大きくて身の厚い平目を使います。フワフワした平目が
口の中でホロホロと崩れるのは、まさに口福としか表現
しようがありません。僕はエンガワを食べてトリップ
しそうになりました。そうそう、付け合せの下仁田ねぎ、
青い部分が出てくるのですが、ねっとりと甘味が詰まって
いて、ねぎのこの部分がこんなに美味しいとは!
*FukunosukeのNo.1!
■国産牛のステーキ ペッパーソース

短角牛と言っていました。ソースも、和牛の味を殺さず、
控えめですがバツグン。ここでもやっぱりフォン・ド・ヴォー
の良さが光ります。実は最初にメニューを見た時、ステーキか・・・、
と思ったのですが、この直球勝負の一品、ヤラレました。
■ステーキの付け合せ (ポテトのにんにく風味)

ポテトのスライスとニンニクをグラタン風にしたものが
ステーキの付け合せとしてサーブされました。
シンプルなステーキと完璧なマッチング。
■フロマージュ

右のハードタイプは、36ヶ月熟成のコンテ。甘さと塩気、
酸味とコク、すごく複雑で濃厚な味わい。スプーンに乗って
いるのは、まさに食べ頃のモンドール。旨い!手をかけた
一皿一皿に負けないくらいのご馳走。
■洋梨のコンポート フランボワーズソースとバニラアイスクリーム

たまげます。それぞれの味も絶品ですが、3つの味を同時に
味わうと、この世のものとは思えないハーモニー。
写真を見て、ずいぶんシンプルなプレゼンテーションと
思いませんか? そうなんです。食器もプレーンでシンプル。
でも、一皿一皿味わってみれば、何となく得心するところが
あります。「見た目の演出や装飾に凝るヒマがあるなら、全身
全霊、神経の全てを“味を極める”ことに集中したい」と、
そういう料理人の声が聞こえてきそうです。
二人とも無意識のうちに、お皿に残ったソースをパンで拭き取り
一滴たりとも残さない勢いで胃袋に押し込んでいた。普段そこまで
はしません。お店の人、「きれいにありがとうございます」って
笑ってたっけ。
数年振りに行きましたけど、やっぱりここは別格でした。
ミシュランには載ってないけど、ここは間違いなく三ツ星だと
思います。日刊ゲンダイの見出しに「ミシュラン味オンチ」って
のがありましたけど、ここを試して掲載しないのだとしたら、
ホントそうかも知れませんね。
(お店が掲載を拒否したという噂もあるようですが)
食後は、日比谷公園~丸の内のイルミチェック。

日比谷公園の日本最大のツリーは、最悪でした。
こんなのインチキだと思う。
丸の内



いつもは避けるんですが、たまにはフレンチでコテコテの
クリスマス・ディナーってのもいいものです。