男爵:「んー。これがバリ名物のライステラスですかー。ビュリホー」

カハラ:「すごい!段々になってるー! ハワイのパイナポー畑だって
こうはいかないわ!」

男爵:「いやあ、バリ介さんのおかげで素晴らしいものを見られました」
偽バリ介:「なーんも。とごろで、おめさあれ、なして段々になってか
知ってっか? あれはな、将来、宅地にして売る時に便利な
様に、最初っから段々にしてんのぞ」
男爵:「え? そうなんですか?そりゃ知らなかったなー」

偽バリ介:「んでな、ここはもうすぐ『希望が丘』ちゅー住宅地になって、
サラリーマンのベッドタウンになるのさ。だがら、今この土地を
買っとくと、後で大儲けできるのな。少なくとも20倍だ」
男爵:「ほぅ。それは耳寄りの話ですね」

偽バリ介:「だけどもよ、インドネスアでは、外国人は土地買えねのよ。
んでもな、男爵さ、大儲けの話に興味があるならば、オラに
金預けてくれれば、バリの友達に頼んで土地買わせっけど、
どうだ? 一割の礼金を渡せば、後の儲けは全部自分のもんよ」

男爵:「リアリーかい!? それはいいですねぇ。乗りましょう。いくら
用意すればいいですか?」
偽バリ介:「いぐらあんだ? まあみんな、最低でも1億円からだな」
カハラ:「ちょ、ちょっとぉ」
男爵:「大丈夫だよハニー。僕らもひとつ別荘を建てようじゃないか」
偽バリ介:「さっすが男爵、話が早え。その帽子伊達ではねな」

カハラ:「ねえーだめよー。よく考えてからにしましょうよー」
男爵:「カハラちゃんは臆病だなー。バリ介さんに任せれば大丈夫だよ」
ガヤガヤ、
ガヤガヤ、、、
お嬢:「あー、『バリ介』とか言ってるぅ。あいつらじゃないのー!」
バリ介:「うん、そうだそうだ!」

お嬢:「こらぁ! ニセモノー! 見つけたわよー!」

男爵&カハラ:「!?」
偽バリ介:「うへっ! ほ、本物かぁ!?」
偽お嬢:「ホンモノダー!」

偽お嬢:「ニゲロー!!!」
偽バリ介:「へーん! お尻ペンペーンだぞなもし」
お嬢:「あー! コラっー!」

バリ介:「うわー。行っちゃったよ。逃げ足速いなー」
お嬢:「何あれー! あたしあんなにブサイクじゃないわよー」
男爵&カハラ:「?????!」

バリ介:「ども。バリ介&お嬢です。さっきのは僕たちのニセモノです」
お嬢:「そう。お嬢はもっとかわいいの」
男爵:「に、ニセモノ?」

カハラ:「どうりでねー、うさんくさいものー。これがダーリンの言う
有名な“バリ介&お嬢”なの?って思ったわよー」
お嬢:「ちがうのよ。お嬢はもっと都会的なレディなの」
男爵:「だ、騙された? ミーが?」

お嬢:「ほらー、やっぱり退治に来といてよかったじゃない」
バリ介:「そうだねー。でも逃げられちゃった」
お嬢:「また出てくるわよ」

その4へ続く
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