6月29日(金)/7日目の午後
ピクニックブレックファーストの後から降り出した雨は、昼まで降り続けた。
雨に濡れる3段プール。今日で最後と思うと、感傷的な気分になる。

仕方ないので早めのランチ。ナシゴレン。

ノー・マニス・プリーズって言うの忘れた。ちょっと甘い。
イカン・ペペス(魚をバナナリーフで包んで焼いたもの)

昨夜食べ残したチキンも、温めなおして出してもらった。

お昼を食べ終わった頃、ちょうど雨が上がった。
僕らのアマンキラは、あと数時間で終わろうとしている。
hiyoko様は、いつもの様に午睡。

アマンキラは、いつもと変わらない姿でそこにある。

けれど僕らにとってのアマンキラは、もうすぐ終わる。

そういう僕らの感傷とは無縁に、アマンキラの時間は緩やかに流れている。

この眺めも、今は現実だけど、もうすぐ僕らにとっては記憶の景色になる。

女の子達は、いつものようにゲストへの贈り物を作っている。
何を、おしゃべりしているんだろう。

この風景も、人も、空気も、ゆったりとした時間に支配されている。明日
からもずっとそうなんだろう。アマンにとっての日常がそこにある。
僕らは、お互い口にはしないけれど、その時間に支配され続けることを願う。
けれどその魔法は、いや応なしにもうすぐとける。
時計の針が止まらないことを、こんなに恨めしく思ったことはない。
午後一杯をバレで過ごし、部屋に戻った。
「さあ、帰る仕度をしなきゃ、、、」
胸の奥でざわついている子供みたいな気持ちを、荷物と一緒にスーツ
ケースに無理やり押し込んだ。

2時間後、僕らは空港へ向かう車の中にいた。
僕らの非日常は、終わった。
*次で最終回です。