ヒヨコ・イン・ザ・ワールド NEO

Fukunosukeとhiyokoのライフログ

ひよこ劇場2008イタリア編4:プライド

最近“監督”と言われ、図に乗っているFukunosukeです。
※その3はこちら




トメ吉:「えー! オペラァ? すごい! それホント?」

バリ介:「うん。僕らも、せっかくだから連れて行って貰おうかと」

マチコ:「じゃあ話は決まりね。今夜、スカラ座の前で待ち合わせ
     しましょう」

お嬢:「スカラ座って新宿の映画館でしょ?」

バリ介:「お嬢にしては、珍しくボケかますね」

お嬢:「な、何よ! 仕方ないじゃない! 知らないんだから!」







マチコ:「まあまあ、とりあえずエスプレッソでも飲んで、“本場”と
     いうのをよく味わってね」


お嬢:「あらー、おいしいワー。さすがねー」







トメ吉:「お、おおぉ! おいしい!」

お嬢:「ちょっとぉ!」






マチコ:「どう? 一流のエスプレッソ職人の技は」

トメ吉:「んー。んまい! 本当に一流だ。バリコピ(バリコーヒー)も
     かすんじゃうね」








マチコ:「イタリアにはあちこちにバールがあるけれど、同じ機械、同じ
     豆を使っても、やはり味わいが違うのよ。だからエスプレッソ
     職人は一流でなければ生き残れないわ」

トメ吉:「そうなんだー。きっと一流のエスプレッソ職人は、とっても
     格好いいんだろうねー」





職人:「ん? 俺のことかい?」

トメ吉:「ひゃーホントだ。いい面構えだねーおじさん!」
     
     (余談)この後、そうとう怪訝そうな顔をされました。







やがて日は暮れて、、、




暮れてないけど、、、ミラノ、スカラ座(夜8時です)。





トメ吉:「お、おおおおぉ! 本当に来ちゃった! スゲー!」





マチコ:「どう、素晴しいでしょ。本物のオペラがここにあるのよ」

トメ吉:「おおおぉ、こ、興奮して鼻血が出そうです!」






バリ介:「ラッキーだねー! みんなに恨まれちゃうかもね」

お嬢:「ステキー! 上流階級って感じじゃない!?」







マチコ:「この舞台に立てるのは、ほんの一握りのトップスターだけ。
     ひたすら努力を重ねて、チャンスをもぎ取った一流の歌い手
     だけが、スポットライトを浴びるの」

トメ吉:「うわぁー、格好いいなぁー!」







マチコ:「けれど、わかるでしょ。どの歌い手も、ここに辿り着くまでに
     どれだけ辛い思いや、苦労を重ねているか知れない。でも
     舞台の上では、そんなもの微塵も見せない。それが一流の
     プライドだから、、、」


トメ吉:「、、、一流、、、、プライド、、、?」







・・・・・
  ・・・・・
    ・・・・・
      ・・・・・・・。










マチコ:「どうだった? 初めてのオペラは」

トメ吉:「うん。ボク、イタリア語はわかんないけど、感動して涙が
     出ちゃった」

マチコ:「本当に素晴しいものは、そうやって人の心を動かすのね」
     







マチコ:「ねぇトメ吉さん、、、。エスプレッソ職人と、オペラ歌手と、
     どちらが一流で、どちらが素晴しいと思う?」

トメ吉:「いや、どっちって、どっちも素晴しいじゃないですか」







マチコ:「あたしもそう思うわよ、、、。
     あたしはね、どっちがどうってことじゃなくて、その道を極めて、
     プライドを持って仕事をしている男の人が好きだわ」

トメ吉:「マチコさん、、、」

     




マチコ:「トメ吉さんは、どんな風になっていくのかしらね、、、」





マチコの言葉は、電流の様にトメ吉の体を駆け抜けた。




その5につづく。
(もう、いいんじゃないか?)


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