6月29日(金)/7日目、最終日の朝
約束の7時に、車は山の中にあるアマンキラのバレ(ティルタ・サリ・バレ)に
向けて出発した。

集落を抜けると、細い山道になる。ここからひたすら登って行く。

アマンキラからおよそ15分。どうと言う事のない無い道端に車は止まって
しまった。目的のバレは、この道をそれて分け入った所にある。

「じゃぁ、バレの仕度をするから、ちょっとだけここで待ってて」
アマンのスタッフは、荷物を抱えて消えて行った。
ぽつねんと取り残されてしまった僕達。
ここは何だろうねと来た道を振り返って、思わず叫び声をあげてしまった。
まったく予想もしなかった景色が、僕らの眼下に広がっていたのだ。


ただ感動するだけだった。「わぁっ」と叫んだきり、続く言葉はなかった。
熱帯の森、田畑と集落、それを柔らかに覆う霧、その先には海。そして、
重層的な雲が空に立体感を与え、圧倒的な量感で迫ってくる。

「高台のバレでの朝食」というからには、それなりに夢想して来たけど、
現実の風景は僕らのイマジネーションを簡単に吹き飛ばしてしまった。
バレの方から「用意ができましたよ」と声がかかった。

「私は車の方で待っていますから、食事が済んだら木のベルを鳴らして
呼んでください。ではごゆっくり」そう言って彼はいなくなった。
バレには、僕ら二人だけになった。
わー、食べきれない程いろんな物があるよー。

「あー、こりゃいいねー。ゴキゲンだねー」
さっきまで、大いなる自然への畏敬の念で充満していたはずなのに、
そういう詩的な感動が長続きしない我々。
ペストリー、サンドイッチ、シリアル、フルーツ。キンキンに冷えた
オレンジジュースとコピ。

食べ物はこの行李のようなお洒落な箱に入っていた。これを担いでいる
さまは結構絵になる。

hiyoko:「いいでしょーう!」
Fuku:「いいねぇー!」

谷の向こう側には、「ライス・テラス」と言うか「ライス・ステアケース」。

もう一枚パチリ。来られてヨカッタねー。

ピクニックブレックファースト、旅の最後に取っといてよかった。

ロマンチックディナーもそうだったけど、ピーカンの空とはまた違う
感動にめぐり合えた。
昨日でも、おとといでもこの景色は見られなかったはず。更に言えば、
この1時間後にはまた雨が降り出したので、チャンスはホントに
「今日この時間」しかなかった。 僕達は運がいい。
「やっぱり、僕達はバリの神様に歓迎されていたのかもしれない」
そう自惚れてもおかしくない気がしてきた。
帰りは、下まで歩いて帰ります。